オタクとHNと本名

確か昨年ぐらいにRTで回ってきたオタク同士の個人情報の取扱いマナーについてのツイを時々思い出す話。


曖昧な記憶ですが、「何かの拍子(郵送の取引やオフ会の店の予約など)に知ってしまった本名は忘れるのが常識、その名前で呼ぶなんてとんでもない」みたいな内容でした。これについて当時アニオタと舞台オタで結構持ってる常識に差があるなって言った記憶があります。

以下、私の体感と私の友人たちの様子を見て勝手に言っています。もちろん例外があることは承知しています。

 

アニオタ界隈では、ネットの友達とリアルの友達を会わせることがほとんどありません。ネットとリアルを切り分けている人が大多数だと思いますし、友達同士を引き合わせる時っていうのは、リア友ともネットで繋がっていてHNで呼ばれていても違和感が無い時だけのような気がします。
例えば本名が田中さんでHNがヒツジさんだったとしたら、田中さん=ヒツジさんだと知っている(あるいは明かしても構わない)リア友だけをネットの友達と会わせることが多いのではないでしょうか。
その場合、リア友が田中さんのことを「田中さん」と呼ぶのはご法度で、普段は田中をモジって「たーちゃん」と呼んでいたとしても「ヒツジちゃん」と呼ぶのがマナーなのかもしれません。

 

それに対して、舞台のオタクはリア友とネットの友達が遭遇することがとても多いはずです。ヒツジ名義でやっているツイッターのフォロワーと劇場で会う時でも、劇場には田中さんという名前しか知らない舞台友達が来ています。ヒツジさん=田中さんと知らないリアルの知り合いの前でフォロワーに「ヒツジさーん!」と呼ばれては困る人が居るわけです。ヒツジ名義のアカウントが界隈では知られたフォロワー5000人の有名アカウントだったとしても、中身が田中さんだとリアルでは隠しているかもしれません。
その場合、ネットの友達が劇場で「ヒツジさん」と呼びかけるのはマナー違反で、「田中さん」と呼ぶべきです。

 

どちらも当然場合によります。フォロワーにチケットを手配してもらっている場合はフォロワーの本名で受け取ることになるので本名を知る機会はアニメ界隈よりも多いですし、その流れで舞台関連のフォロワーと会う約束をしたときは「HNでお呼びしても大丈夫ですか?本名のほうがよければそうお呼びします」と事前に確認を取ります。今までそう尋ねた中では「どっちでもいいです」と「本名でお願いします」しか言われたことがありません。
まあその結果、呼び名が安定せず、日によってHNで呼んだり本名で呼んだりが混在する友達が何人か存在するのですが……

 

私は舞台関連のアカウントを二つ持っており、一つは一般的な感想を述べたりするアカウントで同担の相互も多いオープン垢、もう片方は妄想垢(腐女子なので……内容はお察しください)なのでリアルの知り合いには一切秘密です。ただ、アカウント名は表記違いの同名にしている(ヒツジと羊みたいな)ので、妄想垢のフォロワーに劇場でHNで呼ばれても問題ないようにしています。オープン垢が私だとバレることは一向に構わない(知っている人も多い)ので、どちらの名前で呼ばれても焦りません。
オタク同士でも本名を呼び合う関係に慣れてしまっているので、久しぶりにアニメ界隈に戻ってきたときに一般の飲食店や町中でHNを呼ぶことにちょっと抵抗を覚える(名前によりますが)こともあります。

 

舞台だろうがアニメだろうがどちらも同じオタク同士なのですが、当然だと思っている常識はそれぞれに違います。「こんなことは当たり前!この人は非常識!」と怒り出す前に「相手の文化を理解する」努力が必要かもしれません。